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空調・冷凍冷蔵庫 消費電力(CO2排出量)削減の必要性
我が国のCO2排出量と削減目標
我が国は平成27年7月17日、地球温暖化対策推進本部を開催し、2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比26%減とする「日本の約束草案」を正式に決定し、同日、国連気候変動枠組条約事務局に提出しました。
目次 2030年度の排出量目安 2015年大手電力会社(10社)電力販売量/CO2排出量 人口によるCO2排出量割合 人口減少とCO2排出量予測 業務その他部門のCO2削減 家庭部門のCO2削減 家庭用エアコンの電力消費量(CO2排出量) |
二酸化炭素排出量の目安(t) | 2013年 | 2030年排出目安 | 削減率 |
エネルギー起源CO2排出量総計 | 1,235,000,000 | 927,000,000 | 25% |
産業部門 | 429,000,000 | 401,000,000 | 7% |
業務その他部門 | 279,000,000 | 168,000,000 | 40% |
家庭部門 | 201,000,000 | 122,000,000 | 39% |
運輸部門 | 225,000,000 | 163,000,000 | 28% |
エネルギー転換部門 | 101,000,000 | 73,000,000 | 28% |
※単位:t-CO2
特に高いCO2排出量削減で目立つのは「業務その他部門」と「家庭部門」で、2013年対比でみるとおよそ40%にもなります。
そして、この2つの部門でCO2削減に大きく関わってくるのは電力消費量が考えられます。2015年大手電力会社10社の電力販売量は、8,677億kWhでCO2排出量が540,577,100トンとなり、2013年エネルギー起源CO2排出量総計対比でみると、電力から排出するCO2排出量が43.77%になりますので、電力消費量を減らして行くことがCO2削減に繋がります。
表2 2015年大手電力会社(10社)電力販売量/CO2排出量
電力 | KWh | CO2排出量(t) |
電力販売量 | 867,700,000,000 | 540,577,100 |
事業用電力量 61.61% | 534,589,970,000 | 333,049,551 |
家庭用電力量 38.39% | 333,110,030,000 | 207,527,549 |
※調整後排出係数:0.623(kg-CO2/kWh)
人口によるCO2排出量割合
表3 2015年大手電気事業者CO2排出量
一般電気事業者名 | 調整後排出係数(kg-CO2/kWh) | 前年度比 | 平均との差 | マーケットシェア |
沖縄電力 | 0.816 | 0.053 | 0.335 | 0.88% |
関西電力 | 0.523 | 0.007 | 0.042 | 6.77% |
九州電力 | 0.598 | -0.019 | 0.117 | 3.09% |
四国電力 | 0.688 | -0.018 | 0.207 | 3.49% |
中国電力 | 0.709 | -0.008 | 0.228 | 3.26% |
中部電力 | 0.494 | -0.015 | 0.013 | 9.50% |
東京電力 | 0.496 | -0.026 | 0.015 | 8.96% |
東北電力 | 0.573 | -0.016 | 0.092 | 30.05% |
北海道電力 | 0.688 | 0.007 | 0.207 | 15.72% |
北陸電力 | 0.640 | 0.012 | 0.159 | 14.51% |
電力会社平均 | 0.623 | -0.002 | 0.142 | 96.22% |
2015年国勢調査‐人口・世帯数 総務省統計局の発表による日本の人口は12,711万人、世帯数が5,340万3千世帯、1世帯当たり人員は2.38人でした。そして2030年の人口推計では、11,662万人で2015年人口対比で8.25%の人口減少となり、高齢化率が58%の6,773万人と発表されています。
表4 人口・世帯数
人口によるCO2排出量 | 2015年 | 2030年予測 |
人口 | 127,110,000 | 116,620,000 |
世帯数 | 53,400,000 | 48,993,061 |
CO2排出量(t) | 201,000,000 | 184,412,084 |
2030年家庭部門におけるCO2排出目安は、122,000,000トンで、人口減少によるCO2削減量が、16,587,916トンとなり、2013年家庭部門におけるCO2削減目安は残り105,412,084トンも目標達成に必要です。
業務その他部門のCO2削減
事業用電力量は、2016年4月28日電気事業連合会発表による2015年度事業用電力統計で電力量全体の61.61%でした。表2における2015年度大手電力会社10社の電力販売量は8,677億kWhなので、5,345億kWhが事業用電力で使われていることになり、CO2排出量が333,049,551トンです。
そのうち、2030年業務その他部門のCO2削減量目安は、2013年CO2排出量対比40%削減と高いため、消費電力の削減が必須です。事業用で多く使かわている消費電力は、空調機・冷凍冷蔵庫などがあげられ、全体のおよそ30%(1,630億kWh)が考えられます。
よって空調機・冷凍冷蔵庫の消費電力削減は今後の重要な課題であり、業務その他部門のCO2削減目標を達成する上で必要不可欠です。
もし、空調機・冷凍冷蔵庫の消費電力量が30%削減できた場合には、CO2排出量削減が29,974,460トンで2013年業務その他部門のCO2排出量が10.7%も削減できます。
業務その他部門で想定される職種 | 空調・冷凍冷蔵庫削減率:30% | ||||||||
店舗 | 全国店舗数 | 面積(坪) | 月使用料kW | kW単価 | 想定電気代 | 使用割合 | 削減金額 | 削減率 | |
1 | 大型商業施設 | 20,012 | - | - | 20 | ¥5,000,000 | 30% | ¥450,000 | 9% |
2 | ホテル | 9,809 | - | - | 20 | ¥3,000,000 | 30% | ¥270,000 | 9% |
3 | 旅館 | 43,363 | - | - | 20 | ¥2,000,000 | 30% | ¥180,000 | 9% |
4 | 簡易宿所 | 25,560 | - | - | 20 | ¥1,000,000 | 30% | ¥90,000 | 9% |
5 | オフィスビル | 8,928 | - | - | 20 | ¥1,000,000 | 30% | ¥90,000 | 9% |
6 | スーパーマーケット | 20,129 | 300 | 67,200 | 20 | ¥1,344,000 | 50% | ¥201,600 | 15% |
7 | ドラッグストアー | 13,434 | 200 | 40,320 | 20 | ¥806,400 | 50% | ¥120,960 | 15% |
8 | ホームセンター | 13,063 | 400 | 53,760 | 20 | ¥1,075,200 | 40% | ¥129,024 | 12% |
9 | 衣料品 | 7,000 | 300 | 48,000 | 20 | ¥960,000 | 40% | ¥115,200 | 12% |
10 | コンビニエンスストアー | 53,309 | 48 | 14,417 | 20 | ¥250,000 | 47% | ¥35,250 | 14% |
11 | ファミリーレストラン | 26,597 | 100 | 34,560 | 20 | ¥691,200 | 30% | ¥62,208 | 9% |
12 | 書店 | 10,855 | 100 | 15,000 | 20 | ¥300,000 | 30% | ¥27,000 | 9% |
13 | 居酒屋 | 250,000 | 30 | 41,500 | 20 | ¥600,000 | 25% | ¥45,000 | 8% |
14 | スポーツクラブ | 1,200 | 1000 | 134,400 | 20 | ¥2,688,000 | 40% | ¥322,560 | 12% |
15 | 病院(歯科含む) | 177,769 | - | 50,000 | 20 | ¥1,000,000 | 30% | ¥90,000 | 9% |
16 | 遊技場 | 11,893 | 263 | 58,916 | 20 | ¥1,178,320 | 45% | ¥159,073 | 14% |
17 | 製氷・冷凍冷蔵倉庫 | 4,971 | - | - | 20 | ¥3,000,000 | 70% | ¥210,000 | 7% |
合計 | 697,892 | 平均割合 | 38% | ¥152,816 | 11% |
家庭部門のCO2削減
近年、一般家庭の電気料金は、世帯数により異なりますが、 2013年~2015年の総務省統計局の家計調査では、年間平均額が115,472円(2人世帯)~158,872円(5人世帯)でした。その内、一番電気消費量が多い家電は、エアコンで電気使用量の約4分の1も占めているとされています。よって一般家庭のエアコン省エネ促進は、地球温暖化対策のCO2削減に高い効果をもたらすので早急に取り組むべき課題です。
家庭でできるエアコンの省エネ対策は、1度の温度調整でエアコンの消費電力が半減し電気代全体の5〜10%削減できると言われます。また、新しい省エネエアコンに買い替えて消費電力を抑えることも一つの方法です。
2016年の売れ筋の省エネ空調機は、パナソニック(CS-226CF)製で期間消費電力量が717kWhでした。
このエアコンを例にあげると717kWh(年間消費電力量)×27円税込(1年間の目安電気料金)=19,359円(年間電気代)となりますが、古いタイプのエアコンであればより高い消費電力が必要になります。
また、壊れていないエアコンを買い替えることは経済的にも負担がかかるため、エアコンの省エネ化が急速に進まない理由でもあります。
※1年間の目安電気料金(円):1kWhあたり27円(税込)(公益社団法人、全国家庭電気製品公正取引協議会、新電気料金目安単価)
家庭用エアコンの電力消費量(CO2排出量)
エアコン冷房能力2.8kW(8~12畳)
※経済産業省「資源エネルギー庁」省エネ性能カタログ 2015 年夏版抜粋による
古いエアコン年間消費電力(CO2排出量) ※電力量(CO2排出量)削減予測 ※電気1kWh係数≒0.623g
エアコン 冷房能力2.2kW(6~9畳)期間消費電力量:799kWh(497.8g)
エアコン 冷房能力2.5kW(7~10畳)期間消費電力量: 945kWh(588.7g)
エアコン 冷房能力2.8kW(8~12畳)期間消費電力量:1087kWh(677.2g)
家庭用エアコンの削減(CO2排出量)
電力量(CO2排出量)削減予測 ※電気1kWh係数≒0.623g
【10%削減】
エアコン 冷房能力2.2kW(6~9畳)期間消費電力量:799kWh×10%=79.9kWh(49.5g)
エアコン 冷房能力2.5kW(7~10畳)期間消費電力量: 945kWh×10%=94.5kWh(58.8g)
エアコン 冷房能力2.8kW(8~12畳)期間消費電力量:1087kWh×10%=108.7kWh(67.7g)
【20%削減】
エアコン 冷房能力2.2kW(6~9畳)期間消費電力量:799kWh×20%=159.8kWh(99.6g)
エアコン 冷房能力2.5kW(7~10畳)期間消費電力量: 945kWh×20%=189kWh(117.7g)
エアコン 冷房能力2.8kW(8~12畳)期間消費電力量:1087kWh×20%=217.4kWh(135.4g)
【25%削減】
エアコン 冷房能力2.2kW(6~9畳)期間消費電力量:799kWh×25%=199.7kWh(124.4g)
エアコン 冷房能力2.5kW(7~10畳)期間消費電力量: 945kWh×25%=236.3kWh(147.2g)
エアコン 冷房能力2.8kW(8~12畳)期間消費電力量:1087kWh×25=271.8kWh(169.3g)※下記表のモデルケース
【30%削減】
エアコン 冷房能力2.2kW(6~9畳)期間消費電力量:799kWh×30%=239.7kWh(149.3g)
エアコン 冷房能力2.5kW(7~10畳)期間消費電力量: 945kWh×30%=283.5kW(176.6g)
エアコン 冷房能力2.8kW(8~12畳)期間消費電力量:1087kWh×30%=326.1kWh(203.2g)
エアコンCO2排出量25%削減による効果
2013年家庭部門CO2排出量(t) | 201,000,000 |
世帯数 | 53,403,000 |
古いエアコン台数 70% | 37,382,100 |
古いエアコンの消費電力 1087kWh/台 | 40,634,342,700 |
CO2排出量(t) | 25,315,196 |
CO2排出量25%削減(t) | 6,328,799 |
削減率 | 3.1% |
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